数多くの寺院が並び立つ京都の街
世界遺産17箇所、国宝に指定されいてる建造物は73棟、京都市内だけで文化財の数は3,100と、とにかく見所が多すぎる京都。
是非、多くのお寺でデートをしていただきたいですが、お寺デートの際に最低限の仏教に関する知識があるだけで、その寺院をもっと奥深く楽しめるものです。
ここでは、簡単な仏教や寺院に関する豆知識をまとめていますので、是非デートのうんちくにお役立てください。
京都のお寺分類(宗派)
京都の主要な寺院を、その宗派によって分類してみましょう。
まず、弘法大師空海が開祖の真言宗派の寺院は、「東寺」・「神護寺」・「仁和寺」・「大覚寺」・「智積院」・「泉涌寺」が挙げられます。
”即身成仏”、つまり煩悩だらけの身そのままに御仏を目指す真言宗の寺院は、厳格な、修行道場としての性格を受け継ぐ寺院が多いです。
次に最澄が開祖である天台宗派の寺院を見ていきましょう。「延暦寺」・「青蓮院」・「三千院」・「妙法院」・「三十三間堂」・「寂光院」「毘沙門堂」が有名ですね。
天台宗は”一隅を照らす”を合言葉に、人々が手を取り合って暮らす生活を目指しています。自然の美しさを生かした、落ち着きのあるお寺が特徴的。
浄土宗の寺院としては、「知恩院」・「百万遍知恩寺」が挙げられます。また浄土真宗の寺院としては「西本願寺」・「東本願寺」・「仏光寺」が有名です。
”南無阿弥陀”を唱えることで、仏の道を目指す浄土宗系の寺院は、その教えと同じように開放的な寺院が多く、無料で拝観できる寺院もあります。
臨済宗も京都には多くの寺院が存在します。”京都五山”の「南禅寺」、「天龍寺」・「東福寺」・「相国寺」・「建仁寺」・「万寿寺」をはじめ、「金閣寺」・「銀閣寺」・「高台寺」・「龍安寺」・「妙心寺」など京都を代表する寺院は臨済宗のものが多いですね。
栄西によってもたらされた臨済宗は、京都で開かれた室町幕府との結びつきが強く、その時代に建立された寺院の多くは臨済宗の教えに属しています。
そして、それ以外の宗派に属する寺院は、”北法相宗”の「清水寺」、”鞍馬仏教”の「鞍馬寺」、”奈良仏教律宗”の「壬生寺」などがあります。
個性的な寺院が揃う京都ですが、デートに行くお寺がどの宗派に属しているか知っていると、今までのデートとは一味違った視点で楽しめますね!
お寺で見かける仏教用語
二人でお寺デートを楽しむ際、確かによく見かけるけどイマイチ意味がよくわからない…。という用語も多いのでないでしょうか。簡単にまとめましたので、ご覧ください。
”○○山” よく名前を知っている寺院でも、例えば”華頂山”知恩院など、○○山という名称を見かけることが多いと思います。これは、山号といい、日本では禅宗系のお寺が始めたと言われている中国由来の文化です。神聖な力の宿るとされて信仰の対象だった”山”の力を、お寺にも付与されるように付けられた名だそうですよ。
”伽藍”(がらん) これは日本史の授業でも習いますね。お寺の計算されて配置された建造物のことを言います。世俗との境界線である”山門”・本尊を祀る”本堂”・仏教に関する講義が行われた”講堂”・僧侶たちが住んでいた”庫裏”など、それらの位置関係が実は仏教の世界観を表現しています。
”塔頭”(たっちゅう) 禅宗系のお寺によく見られますが、大きな本山のお寺の中に、小規模なお寺がたくさんあるのを見たことがありませんか?これは”塔頭”と呼ばれる寺院です。その本山に属した、高名な僧侶を讃えて建立した寺院であり、つまり偉いお坊さんゆかりのお寺ということです。
”○○門跡”(もんせき) 数あるお寺の中でも、皇族や公家が住職を務める寺院のことを”○○門跡”と呼びます。鎌倉時代には、皇族が出家することがちょっとしたブームになり、多くの寺院が門跡寺院となりました。これは、鎌倉時代に武士中心の政治が始まり、経済的に困窮した公家が出家することでその苦境から逃れるためだったと言われています。
お寺の拝観マナー
まず大前提として”寺院”と、”神社”は全くの別物です。ここでは、寺院の正しい拝観のマナーについてまとめました。
まず、山門に立ち入る際は合掌して一礼。「そこまでするのはちょっと恥ずかしい…」と言う方も、敷居は踏まずに男性は左足、女性は右足から山門をくぐるという作法は覚えておきましょう。
次に境内の手水は神社と同じ手順でOK。左手・右手・口・左手・柄杓の順で身体を清めます。
仏像の前ではお賽銭を静かに入れ、合掌して一礼をします。間違っても神社ではありませんので、二礼二拍手一礼はしてはいけませんよ。
また、本堂の中では帽子をとる、撮影禁止の堂内ではもちろん撮影禁止など常識ある行動を心がけましょう。
綺麗な庭園が見どころの寺院が多いですが、庭園に入ったり、縁側から足をブラブラさせるのもマナー違反ですので注意してください。
多くの観光客で賑わう京都の寺院ですが、日本人らしい秩序ある拝観を心がけて、マナーよくデートを楽しみましょう。