鴨川

今までどれだけ多くの”京都”カップルが、その川辺で時を過ごしたのか…。京都に集う恋人たちの聖地にして、数々のドラマを生み出してきた「鴨川」には、人々を引き寄せる魅力があります。

二人でゆっくり話をするために芝生に腰掛けたり、夜の川床の夜景を見ながら愛を誓い合ったり、調子に乗って川に飛び込んだり。京都人の数だけ、鴨川には思い出があるのです。

そんな多くの人の想いを受け止めてきた「鴨川」には不思議な力が宿り…。「鴨川」を眺める二人の肩は自然と寄り添い、気づけば手と手を握り合っている。そんな恋の魔力を秘めた、まさに恋人たちの聖地と言うべき存在でしょう。

鴨川の表情

鴨川は時間や季節によって様々な表情を見せてくれます。ここではいくつかの例をご紹介しましょう。

土手には遊歩道が整備され、様々な人々が行き交う鴨川。しかし、週末になるとその姿は一変。カップルが等間隔で芝生に佇む、巨大な一つのベンチと化すのです。誰が決めたわけでもないのに、他のカップルと一定間隔のスペースを空けて座るカップルたち。未だに科学でも解明されていない”鴨川等間隔の法則”と呼ばれています。

また、5月から9月の終わりにかけて設置される”川床”も、鴨川の表情の一つ。しかし実は”かわどこ”ではなく、”ゆか”と読むのが正しい京都語。通常”かわどこ”と言うと貴船の川床、”ゆか”と言うと鴨川の川床を指しています。別に同じように感じますが、鴨川の川床を特別視する京都人は、鴨川への愛情を込めて”ゆか”と呼ぶのです。

”かも”や”サギ”などの生きものを見かけることが多いのも鴨川の魅力。実はオオサンショウウオやアユも、鴨川には生息しています。「鴨川でオオサンショウウオ捕獲デート！」なんて考えてると、それ法律違反です。特別天然記念物に指定されているオオサンショウウオを捕まえると、文化財保護法に抵触するおそれがあるので気をつけてくださいね。

鴨川に架かる橋にも、様々なドラマが。牛若丸と弁慶が闘った”五条大橋”、100年以上使用される最古の”七条大橋”、商人が個人の財を投じて架けた”丸太町橋”など、一つ一つの橋にもエピソードが。

いかがでしょうか。何気なく恋人と歩いていた鴨川にも様々な表情があります。数多くの恋人たちを見守ってきた「鴨川」で、是非あなたもデートを楽しんでみてはいかがでしょうか。